2019/02/01「親が認知症になる前に知っておきたいお金の話」を読んで
親が認知症になったり、介護が必要になったときに
どのように家族みんなで親を支えていくのかを
考えたことはございますでしょうか?
相続の前に多くの方が「介護」という場面に直面します。
「相続」と「介護」はつながっていることが多いのです。
体の調子が悪くなるまで病院に行かないという方が
多いかもしれませんが、調子が悪くなってから病院に
行ったら手遅れだったという話はよくある話です。
「相続」も「介護」も全く同じです。
「親が認知症になる前に知っておきたいお金の話」という
本を読んでみました。
みなさんも早めの準備をおすすめします。
◆現実的に介護は家族全員が考えなければならない問題
介護は、もちろん親だけの問題ではなく、配偶者や子供など
家族みんなの問題になります。
老親をどうやって家族みんなで支えていくのかを考えなければ
なりません。
現実的に介護にはお金もかかりますし、施設に入るのか、それとも
自宅介護にするのか、誰が中心になって親の介護をしていくのかなど
いざ考えると様々なことに直面いたします。
一番大事なことは、親自身がどのような老後を送りたいのかという
気持ちを家族で共有することだと思います。
そのためには、親世代と子世代が何度も何度も話し合いながら、
介護方針や介護費用をどうやって捻出するのかも
考えなければなりません。
◆介護とお金の話
親の介護が必要になってくる時期は、子世代が自分の子供の
学費や生活費などでお金がかかる時期でもあります。
自分の親の介護にもお金がかかるとなると、現実的に
かなり経済的に厳しい状況になります。
まずは介護の費用にどのくらいの費用がかかるのかを
シュミレーションする必要があります。
親が希望する介護に毎月どのくらいの費用がかかるのか
施設に入るのであれば、入居時に一時金としてどのくらいの
費用がかかるのかを計算する必要があります。
そして、毎月受給している年金でそれらを賄うことができるのかが
重要なポイントです。
具体的な数字に関しては、この本の中にシュミレーションしている
箇所がございますので、確認をしていただきたいと思います。
一つ言えることは、介護には予想以上にお金がかかるというのが
現実問題としていえることだと思います。
だからこそ家族全員の話し合いが必要であり、家族の方向性を
共有しておく必要があるのです。
◆「家族信託」というツールを使って家族会議を行うメリット
自分の親が亡くなってしまったときに兄弟で揉めるのは
いやだなと思って、親に対して、
「遺言を書いておいてくれないか」と言いたいけれども、
「オレにそんなに早く死んでほしいのか」と思われるかも
しれないので、何も準備できないということはよく聞く
お話です。
子供から親に相続のことを切り出すのは、難しいものです。
相続の話は、親世代からすると、自分が亡くなってしまった後の
話なので、あまり関心がない方も多いと思いますし、
イメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか?
しかし介護の話はどうでしょうか?
介護の話となると親世代の多くの方々が、
「子どもたちには迷惑をかけたくない」とおっしゃいます。
まだ生きている間のお話ですし、自分がどのような
老後を迎えたいかということは、死後のお話よりは
イメージが付きやすいと思います。
子世代からしても親の介護のことをしっかりと考えておかないと
お金がいくらかかるのかとても心配という方が非常に多く
いらっしゃいます。
介護破綻をしてしまうかもしれないという危機感をお持ちの方も
多いのではないでしょうか?
だからこそ、相続のお話をする前に、両親の老後を
どのように支えていくのかという家族会議が必要になるのです。
その家族会議を開くためのツールとして、「家族信託」は、
非常に有効です。
親から財産管理を託される子供には、非常に多くの管理処分
権限を委託することもできます。
だからこそ家族全員の意思の共有が必要なのです。
「家族信託」は親が認知症になってしまった場合の財産管理法の
一つの手段です。
親が認知症になってしまった場合の実家の管理はどうするのか、
売却するのか、誰かが住むのか。
介護費用を捻出するために両親の銀行口座が解約できるように
しておいたほうが良いのではないか、誰が中心になって親の
財産を管理するのかなど、家族全員での話し合いが必ず必要になります。
すると家族の絆が生まれて、家族同士のコミュニケーションも
円滑になります。
このように普段からコミュニケーションを多くとっている家族に、
相続で揉めるということが起きますでしょうか?
私は可能性がものすごく低くなると確信しています。
円滑に相続を進めるには、まずは介護の話からだと思います。
実際に介護の方針をめぐって、老親の枕元で子供同士が
揉めているという悲しい現実も起きています。
「家族信託」にご興味を持っていただいた方は、
ぜひ一度この本を読んでみてください。
そして、当社にもお気軽にご相談ください。
3月には当社主催の「家族信託セミナー」の開催を
予定しています。
今日もありがとうございました。