2018/11/07相続対策は自分のからだのヘルスチェックと似ている!?
相続税は相続財産を受け取った人が払う税金です。
富の集中を防ぎ、社会に還元するという目的もあります。
「3代で財産はなくなる」と昔からよくいわれています。
ただし、相続税がかかる人は、全体の約8%の方しか
いらっしゃいません。
残りの約9割の方には相続税がかかりません。
ご自身が相続した場合に相続税がかかるのか、かからないのかを
把握しておくことは、相続対策のまず第一歩となります。
では相続税がかかるかどうかをどのように調べればよいのでしょうか?
◆まずは遺産総額を計算することから始めましょう
相続税は相続財産を引き継いだすべての方に
かかる税金ではありません。
「基礎控除」といわれる非課税枠の金額が設けられており、
遺産総額がその金額以下であれば、相続税がかかりません。
ということは、ご自身の遺産総額がどのくらいになるのかを
把握する必要があります。
・現在お持ちの現金、有価証券などの金融資産
・土地、建物などの不動産
・3年以内に贈与した資産
・死亡保険金などのみなし相続財産
これらの合計が遺産総額ということになります。
この中で不動産の金額はどのように調べればいいのかというと
不動産が所在する市区町村から毎年春に送られてくる納税通知書を
見ればわかります。
土地・建物の「固定資産税評価額」や「価格」と書かれている欄に
書かれている数字がその不動産の評価額で、この合計額が
不動産の資産合計額ということになります。
これら遺産総額から借金などの債務、非課税財産などを
差し引いたものが相続税の対象となる財産ということになります。
◆遺産総額が基礎控除額よりも多いか少ないか
だいたいの遺産総額がわかった場合には、その総額から
基礎控除額を差し引いてみます。
基礎控除額というのは、
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
となります。
法定相続人が3人であれば、
3000万円+(600万円×3人)=4,800万円となります。
遺産総額がこの4,800万円よりも少なければ、相続税が
かかることはありません。
遺産総額が基礎控除額を超えるか超えないか微妙な場合には、
専門家へのご相談をおすすめします。
明らかに基礎控除額を超える遺産総額があるという方は
相続税対策を考える必要があります。
逆に相続税がかかりそうにないという方も安心はできません。
相続人が複数いる場合は、遺産分割をどのようにするかを
考えなければなりません。
特にこのような場合は、自宅と預貯金が相続財産という方が
非常に多いケースです。
この場合、相続財産の中で不動産の占める割合が
もっとも大きいという場合が少なくありません。
不動産はもっとも分割しづらい財産です。
相続税がかからない方でも、遺産分割対策をしっかりと
考えておかなければなりません。
◆現状把握が相続対策への第一歩
今までの方法で計算することができれば、
ざっくりの数字ではありますが、相続財産の総額と
相続税がかかるのか、かからないのかがわかり、
現状把握ができます。
これが相続対策のはじめの第一歩になります。
相続税がかかりそうであれば、税理士の先生に
ご相談して、相続税の節税対策が必要になります。
また納税資金をどのように確保するかを考え、
生命保険会社、不動産会社などとの連携も必要になってくる
と思います。
相続税の心配はなくなったとしても、
相続人同士がもめないように遺産分割をする際に、
やはり、生命保険会社や不動産会社のアドバイスが必要に
なるかもしれません。
相続対策は、自分のからだのヘルスチェックに似ています。
人間ドックで今の健康状態を検診してもらい、
どこか異常がないか診てもらいます。
その後、それぞれの専門医に詳しく診てもらい、
悪いところがあれば、予防したり、治療したりすると思います。
相続対策もまったく同じです。
自分自身のからだの健康も相続対策も、早め早めの対策をして
早期発見・早期治療を心掛けるようにいたしましょう。