2018/11/06法定相続情報証明制度とは?戸籍謄本を取得する手間を軽減
亡くなった方の銀行などの口座を名義変更するには、
非常に時間と労力がかかります。
去年から始まった「法定相続情報証明制度」という方法を
使うと、時間と労力を少し減らすことができます。
ただし、メリット、デメリットがあります。
どのような制度なのかを見ていきましょう。
◆必要書類を何度も集める手間を減らすことができる
相続が発生し、遺産分割協議も終わり、亡くなった方の
銀行口座の名義を変更しようとした際に、次のようなことを
しなければなりません。
金融機関から提出を求められる書類を提出する必要があります。
各金融機関で若干提出するものは違うかもしれませんが、
だいたい同じような書類が必要になるはずです。
遺産分割で、銀行口座を相続する場合には、以下のような
書類を求められると思います。
・遺産分割協議書
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・亡くなられた方の出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本や
除籍謄本、改製原戸籍
この中で亡くなられた方の出生から亡くなるまでの連続した
戸籍謄本や除籍謄本の取得というものが非常に手間ひまの
かかる作業になります。
しかも銀行口座が複数の銀行にいくつもあるというような場合には
更に大変な作業になります。
この部分を簡素化できるのが「法定相続情報証明制度」ということに
なります。
◆戸籍関係の書類を集めるのが1回で済む
いくつもの銀行に口座がある場合には、戸籍謄本を
その口座と同じだけの枚数を集めるか、もしくは、
書類提出後に原本を返してもらえる金融機関もございますので、
そちらを返却後に、次の金融機関の手続きに行くというような
動きになります。
ところがこの「法定相続情報証明制度」を利用すれば、
法務局で発行される「法定相続情報一覧図の写し」があれば、
金融機関などの手続きで必要な戸籍関係の必要書類の提出が
不要になります。
1度だけ、法務局で以下の書類を提出すれば、この制度が
使えるようになります。
・被相続人と法定相続人全員の戸籍謄本等一式
・法定相続一覧図を作成する
これで、「法定相続一覧図の写し」がもらえるようになりますので、
複数の金融機関に一斉に名義変更の手続を行えるようになりますし、
不動産の相続登記にも有効に使うことができるようになります。
◆法定相続情報証明制度のデメリット
この制度は、複数の金融機関に多くの口座を持っている方に
とっては、有効な手段になるかもしれませんが、
銀行口座が1,2口座しかないという場合には、
あまりメリットはないかもしれません。
また、家系図のような図を、相続人のどなたかが作成して
法務局に提出しなければなりません。
この作業はちょっと手間ひまがかかります。
ですので、不動産の相続登記や複数の銀行口座があるという場合には
有効だと思いますが、果たしてこれが定着するのかは
まだ昨年から始まった制度ですので、何とも言えない
のではないでしょうか?
相続手続きに関するちょっとした耳寄り情報でした。
今日もありがとうございました。