2018/10/19相続が発生した場合にやらなければならないことは?②
相続が発生した場合にどのような手続きが必要に
なるのでしょうか?
以前に相続発生後3ヶ月までに相続人の確定と
相続財産の確定が必要ですということを中心に
お伝えさせていただきました。
今日はそれ以後実際にどのような手続きが必要になってくるかを
見ていきましょう。
◆相続放棄等の手続き
相続財産が預金等の財産より借金等の債務が多い場合、
単純承認すると債務もそのまま相続することになってしまいます。
ですから前回お伝えしたように、相続財産の確定が
非常に重要になってきます。
このような場合は相続放棄をすることで、
財産を受け継がない代わりに
債務も引き受ける必要がなくなります。
また、限定承認をすれば、受け継いだ財産の金額の範囲分だけ
債務を支払えばよいことになります。
これら相続放棄や限定承認は、相続の開始があったことを
知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申請書を
提出しなければなりません。
◆準確定申告
被相続人が生前に確定申告を行っていたような場合は、
準確定申告が必要になります。
亡くなった人の1月1日から亡くなった日までの
所得を申告することです。
相続人は、相続があったことを知った日から4ヶ月以内に
被相続人の所得税の確定申告をしなければなりません。
被相続人が、自営業者だった方や不動産賃貸収入があった方の場合は、
準確定申告を忘れないようにしなければなりません。
◆遺言書がないときは遺産分割協議書の作成
遺言書があれば、遺言書に基づいて財産を分割します。
一方、遺言書がないときは相続人全員による話し合いの結果に基づいて、
遺産分割協議書を作成します。
相続人全員の署名・捺印が必要になりますので、
遺産分割で揉めてしまい、意見がまとまらないときには
この遺産分割協議書が作成できません。
なお、相続人の中に未成年者がいる場合は、特別代理人の専任申立を
家庭裁判所に行う必要があります。
遺産分割協議書がないと基本的には不動産の
相続登記などが行なえません。
不動産をお持ちで、その不動産に相続人のどなたかが、
まだ住んでいるという場合は、必ず遺言書を作成しておくべきです。
なぜなら不動産は分けることができないからです。
分けることができないのなら、とりあえず共有にしておこう
ということも絶対に避けるべきです。
共有にすると共有者全員の意見がまとまらないと
売却することはできませんし、貸すこともできません。
また、代が変わるとねずみ算式に所有者が増えていく場合があります。
こうなるともう塩漬けの不動産になってしまいます。
私も過去に調整区域の雑種地に7人の所有者がいる
という土地を見たことがあります。
調整区域ですから、土地評価は低いのに、
なぜあんなに多くの所有者がいるのかなぞでしたが、
きっと何かで揉めたのでしょう。
◆相続財産の名義変更
遺産分割協議書が作成できましたら、それに基づいて
相続財産の名義変更を行います。
一番煩雑なのは不動産の相続登記です。
ただし、これは通常司法書士の先生に依頼をして
登記をしていただくことが一般的です。
◆相続税の申告と納付
相続税の申告と納付は、相続発生から10ヶ月以内に
行わなければなりません。
遺産分割で揉めなければ、間に合うスケジュールですが、
遺産分割で揉めてしまうとかなりハードスケジュールになってきます。
この納付期限を過ぎてしまうと、色々な税優遇が
受けられなくなってしまいます。
ですから不動産をお持ちであったり、相続人が多数いたりする場合には
遺言書は必ず作成しておいたほうがよいと思います。
相続が発生すると本当にたくさんのやらなければならないことが
多くあります。
相続のことでお悩みであれば、
上尾相続相談センターにご相談ください。