2019/01/08生前贈与を活用して相続対策を検討する
生前贈与をうまく活用して、相続対策をすすめて
みてはいかがでしょうか?
現役世代の子育て資金や住宅購入資金などにも
贈与を活用することができます。
相続対策だけではなく、経済にも良い影響を
与える生前贈与を活用してみましょう。
◆暦年贈与は110万円までは非課税
贈与税は1月から12月の間の1年間(暦年)の間に
受けた贈与に対し贈与税が課税されます。
1月から12月の間の1年間に110万円以下の贈与であれば、
贈与税はかかりません。
仮に1年間の贈与額が110万円を超えた場合には、
110万円よりも超えた額に対して、贈与を受けた側に
贈与税がかかります。
このように暦年課税の制度を利用して、1年ごとに
一定額を贈与していくことを一般的に「暦年贈与」と
呼んでいます。
一番簡単な贈与の方法は、名義変更などの手続きも必要ない
現金や預貯金などで贈与することです。
相続税がかかるほど財産をお持ちの方は、一番簡単な
相続税対策になります。
暦年贈与した資金をもとに、その贈与を受けた子供が契約者となり、
保険料を支払い、被保険者を親、受取人を子供とする生命保険に
加入することも非常に有効な納税資金確保の対策になります。
また、子供が贈与したお金を無駄遣いするのではないか
という心配も、生命保険にすることにより、無駄遣いの
抑止になります。
◆住宅購入・教育資金の贈与には特例があります
子供が住宅を購入した際に、親から援助を受けた場合には、
贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に
贈与税の申告をして、限度額内の贈与であれば、
贈与税がかからなくなるという特例です。
一般的な住宅だと700万円まで、省エネ住宅の場合は
1,200万円までの贈与であれば非課税となります。
詳しくはこちらの国税庁のHPをご覧ください。
教育資金の一括贈与に関しては、30歳未満の子や孫への
教育資金の贈与が1,500万円まで、非課税になります。
金融機関に専用口座を作り、そこに一括贈与する金額を
振り込みます。
そこから教育費等で必要な資金を引き出します。
その際に教育機関などからの請求書や領収書などを提出する
必要があります。
手続きが少し煩雑な点は否めないかもしれませんが、
相続税対策には、有効な手段です。
◆生前贈与の注意点
生前贈与は、相続財産を減らすことのできる有効な
相続対策になりますが、一方で注意しなければならない点も
いくつかございます。
1点目は、他の相続人に対する配慮が必要だということです。
例えば子供が複数いるにもかかわらず、一人の子供だけに
住宅取得資金の贈与をした場合に、他の子供はどのように
思うでしょうか?
親が元気なうちは何も言わないかもしれませんが、
相続発生後にその不満が爆発し、争続に発展するかもしれません。
2点目は税務署から暦年贈与が「定期贈与」とみなされないように
しなければなりません。
定期贈与とは、最初からある程度まとまった金額を
贈与する予定があるにもかかわらず、贈与税を逃れるために
それを分割払いで贈与したとみられる場合のことをいいます。
例えば100万円ずつ10年間に渡って贈与した場合に、
1,000万円を定期贈与したとみなされてしまう場合があります。
そうならないために、贈与契約書を毎回作成したり、
毎年金額や時期を変えたり、もしくは生命保険に変換したりする
などの配慮も必要になってきます。
生前贈与をうまく活用し、相続対策だけでなく、現役世代の
暮らしを豊かなものにすることは、日本経済にとっても
プラスになるものだと思います。
一度生前贈与もご検討してみてはいかがでしょうか?