認知症対策のための財産管理の手法の一つとして、『家族信託』という制度が、少しづつ普及しています。
ただし、まだまだ知らないという方が多いのが現状です。
もしくは、言葉は聞いたことがあるけれども、どのような制度なのかよくわからないという方が大半です。
私が家族信託契約のお手伝いしている中で感じることは、親本人よりも子世代が、認知症による親の財産凍結のリスクを理解して、事前に準備をしていることが非常に重要だと感じています。
実際にご相談をいただくケースもお子様からのご相談が圧倒的に多いです。
とにかく親が認知症になってからでは、何も対策がとれず手遅れなのです。
◆ 「いつか親が認知症に。誰かに迷惑を…」に不安6割
昨日、毎日新聞にこのような記事が掲載されました。
朝日生命保険の調査で、40代、50代の男女1,108人を対象に
『親が認知症になったら心配なことは何ですか』という質問に対しての回答結果です。
最も多い回答が、
『誰かに迷惑をかけてしまうのではないかと不安』という回答で約6割の方がこのような不安を持っているそうです。
確かに認知症になっているにもかかわらず、車を運転してしまい、小学生の児童の登校の列に車が突っ込んで、小学生が亡くなってしまったという悲しい事故も何年か前にもおきました。
認知症は、色々なタイプの認知症があるようですが、進行具合も人それぞれです。
私のお客様の中には、2か月前まで元気に実家で暮らしていたにも関わらず、2か月後には認知症が進行していて、遺言作成や家族信託契約ができなかったという方もいらっしゃいました。
とにかくお元気なうちから、親が将来どのような介護を望んでいるのか、そのためには今から何を準備しておかなければならないのかを、親子でコミュニケーションをとることが一番重要だと思います。
◆ 介護費用の負担は親の資産から
先ほどの朝日生命保険のアンケート調査のなかで、約半数の方が、
『介護費用の負担が不安』という回答をされています。
おそらく多くの方が、ご自身の親に介護が必要になったら、どのような手続きをして、どのように介護保険サービスを利用するのかなど、全くわからないのではないでしょうか。
また、介護費用は1ヶ月どのくらいかかるのかも考えていないという方が多いのではないでしょうか。
このアンケートの中では、同じく半数近くの方が、
『介護費用は親の資産で賄う』と回答しているそうです。
ただし、親が認知症になってしまったら、親の財産が凍結し、親の財産から介護費用を捻出できなくなる可能性があります。
そのようなリスクを考えたことがありますでしょうか?
実際にこのアンケートのなかで、
『認知症になると家族でも預金の引き出しなどが困難になるの知っていますか』という質問に対して、
『聞いたことはない・知らない・詳しくは知らない』という回答が大半を占めたそうです。
親が介護施設に入ったら、実家を売却して介護費用に充てようと考えている方も多くいらっしゃると思います。
ただし、親が認知症になってしまっていたら、不動産の売却はすることができません。
親の資産が凍結した場合には、子供が介護費用を負担するか、一時的に立て替える必要があります。
40代、50代といえば、自分の子供にも教育費や住宅ローンなどで一番お金のかかる時期です。
果たして親の介護費用を子供が捻出できるでしょうか?
◆ 具体的には何から準備を始めればいいのか
親の資産から介護費用を捻出しようと考えるのであれば、親が元気なうちから事前に対策をしておくのがベストです。
親の財産管理については、『任意後見制度』や『家族信託』という制度を利用するのがおすすめです。
親が元気なうちから、親が認知症になってしまったら、誰に財産管理を任せるのかを事前に決めておくことができます。
任意後見制度と家族信託のメリット・デメリットを事前に知っておくことが重要です。
それを踏まえて、ご自身の家族にはどういった制度を利用して、どのような事前準備をしておくのが良いのかということを、ご家族皆さんで話し合っておくこと必要があります。
ただし、そういった相談や勉強を、どこで、誰に相談してよいのかわからないということをよくお聞きします。
わたくしどもは、そのようなお悩みをお持ちの上尾市周辺にお住いの方々のために、各専門家の方々と5回シリーズの『終活・介護勉強会』を開催しています。
・そもそも終活とは何なのか!?
・介護施設はどのように選べばよいのか!?費用はいくらくらいかかるのか!?
・生前整理は、どのような業者を選んで、費用はいくらくらいかかるのか!?
・認知症になっても不動産を売却できる『家族信託』とは何!?
・老後のための資産形成に生命保険をうまく活用するには!?
・生命保険金を信託できるってほんと!?
・遺産分割で揉めないための準備は何をしたらよいの!?
・葬儀にはいくらくらいかかって、事前に準備をしておいたほうがお得なの!?
こんなお悩みを解決する勉強会です。
次回の開催は、12月14日(土)13時から上尾市文化センターで行います。
詳しくはこちらをごらんくださいませ。
親の認知症にご不安を持つ40代・50代の方々のお役にたてたら幸いです。
今日もありがとうございました。
11月より全5回シリーズの勉強会を開催することといたしました。
元気なうちから一緒に学ぶ『終活・介護勉強会』と題してセミナーを開催いたします。
『終活』と一言で言っても様々な分野のことを考えなければなりません。
医療や介護、それにまつわる保険、生前整理や遺品整理、葬儀、家族信託、遺言、相続した不動産をどうするのかなど、多岐の分野にわたって考えなければなりません。
毎回各分野の専門家をお呼びして、皆様に有益な情報をお伝えさせていただこうと思います。
ただし、一番大切なことは『なぜ終活が必要なのか』ということです。この勉強会では、皆さんと一緒にこれらについて学んでいきたいと思っています。
親が認知症になってしまい、財産管理に困ってから来社され、すでに何も対策ができないという方が非常に多いのが現状です。
この勉強会を通して早めに終活の準備をしていただければ幸いです。
第1回目の今回は、
第1部は、『相続対策』の3つの基本と『認知症』対策
と題して、お話をさせていただきます。
・終活とは何なのか!?
・なぜ終活が必要なのか!?
・相続対策の3つの基本
・認知症対策に有効な『家族信託』とは!?
というような内容でお話させていただきます。
第2部は、
あなたの大切な財産を「守り」「活かし」「遺す」ための新しい仕組み『生命保険信託』と『家族信託』の使い方
と題して、プルデンシャル生命保険株式会社 高崎支社 ライフプランナーの是安章広様からお話をさせていただきます。
・「生命保険信託」とはどんな仕組みなの!?
・大切な人に確実に財産を届けるためには!?
・大切な財産の管理や行き先は自分で考えて決めておきたい
このような内容でお話させていただきます。
少人数制のアットホームな雰囲気で行いますので、お気軽にお問合せいただければと思います。
詳しくはこちらをご覧くださいませ。
よろしくお願い申し上げます。