2019/01/18様々な家族のカタチ
様々な方からご相談をいただくなかで、
本当に様々な想いをお聞かせいただいています。
複雑な家族関係、お子さんがいないご夫婦、
生涯お一人の方、独身のお子さんと同居されている方、
様々なご家族のカタチがあるんだなと改めて
痛感しています。
そんな中、一般社団法人 相続診断協会が編集されました
『家族を「争続」から守った遺言書 30文例』という書籍を
読みました。
改めて家族って素晴らしいけど、難しいとも感じました。
◆遺言書が持つ意味
この本を読んでみて改めて思ったことは、
親子の関係というのは、近いからこそ
色々と本音で話し合いができなかったり、
逆に親子だからこそ感情的になってしまいやすく
建設的な話し合いができずに、時間が経過してしまった
ということが多いんだなということです。
自分の気持ちを素直に切り出せないまま、
相続を迎えてしまったというケースもあるようでした。
ただ、遺言書は遺産分割の方法を指定するだけではなく、
亡くなられた方から家族への最後の手紙となり、
故人の想いがその時初めてわかったということも多いようです。
故人が亡くなる前に知りたかったということもあるかもしれませんが、
全く何もないよりは、最後のお手紙があったほうが残されたご家族は
嬉しいはずです。
◆第3者の立場からのアドバイス
この本の中にあった事例で、ご家族皆様同意のもと
相続診断士という立場でご家族の話し合いに同席し、
司会進行役に徹し、ご家族の皆さまが話しやすい環境を
提供したというエピソードがございました。
こういうことは私たち相続診断士に最も必要とされている
業務なのではないかと思います。
先程も申し上げたように、家族という近い存在だからこそ
ぶつかりあうことも多いかと思います。
専門家の方が話し合いに入っていただくメリットを
わたくし自身が体験し、痛感していることがございます。
弊社は、私の父が創業し、私が引き継いだわけですが、
まだ父も会長として業務をしております。
するとやはり経営の方針をめぐって、お恥ずかしながら
言い争うということもしばしばございます。
その際に月に一度の顧問税理士の先生との打ち合わせの際に、
税理士の先生が間に入ってくださり、専門的な立場から
様々なアドバイスをいただきます。
すると、あんなにもお互い熱くなっていたことが嘘のように
冷静に話をすることができるようになります。
家族という近すぎる存在というのは本当に難しいと
私自身が痛感しています。
◆遺言書はないよりあったほうが良い
遺言書があったからといって、絶対に相続人が
もめないかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。
ただし、ないよりはあったほうが良いというケースが
多いと思います。
いずれにしてもご家族の事前のコミュニケーションが
あるのとないのとでは、全く違います。
この本の中の事例にもありましたが、遺言書を書くまでは
家族の仲がものすごく悪かったけれども、遺言書を書くことによって
家族のコミュニケーションが増えて、家族の仲がまた良くなったという
エピソードがございました。
まずは行動してみることによって、思いもよらない効果を
うむかもしれません。
みなさんも家族への最後のお手紙を残してみてはいかがでしょうか?