2018/12/13自筆証書遺言に関する民法改正で遺言書作成が簡単になる!?
自筆証書遺言に関する民法が改正となり、2019年1月13日から
法施行となります。あと1か月後くらいから実際に
自筆証書遺言に関するルールが変わります。
相続発生後にご相談をいただくケースで、遺言書があったら
ここまでもめなかったのではないかと思うケースがほとんどです。
このような状態でご相談をいただいても、私どもでは関わることが
できずに、弁護士の先生をご紹介するということになります。
そうならないためにも、財産が多いか少ないかに関わらず、
遺言書は作成しておくべきです。
◆特に遺言書があったほうが良いと思うケース
家族関係が複雑であったり、お子さんがいないご夫婦は、
必ず遺言書を残されたほうが良いと思います。
離婚と再婚をされていて、それぞれの配偶者との間に
お子さんがいる場合は、必ず遺言書を残しておくべきです。
普段これらのお子さん同士は、通常顔をあわせたことがない
というケースが多いと思います。
有名な芸能人ご一家のように、お子さん同士が普段から
交流があるということはまずないと思います。
すると相続発生後にお子さん同士が初めて顔をあわせて
遺産分割の話をしなければならないということになりますので、
このようなことはなるべく避けてあげるべきだと思います。
更に家族関係はシンプルですが、お子さんのいない夫婦も
遺言書は作成すべきです。
配偶者のどちらかが亡くなった際に、遺言書がない場合は
亡くなられた方のきょうだいにも相続権が発生してきます。
ただし、きょうだいには遺留分がありませんので、
遺言書で『全財産を配偶者に相続させる』と書いておけば、
すべての財産を残された配偶者に遺すことができます。
その他にも、明らかにきょうだい同士の仲が悪い場合や
同居しているお子さんと同居していないお子さんがいる
ケースなども遺言書は必ず作成しておくべきケースだと
思います。
◆自筆証書遺言はこう変わる
2019年1月13日から自筆証書遺言のルールが変わります。
一番の大きな変更は、財産目録に限って自筆でなくても
認められるようになります。
パソコンで目録を作成したり、不動産の登記簿謄本や
通帳のコピーの添付をすることによって、財産目録と
することもできるようになります。
このように今まで以上に自筆証書遺言が便利になります。
ただし、今まで同様に遺言の有効性や遺言者の遺言能力の有無に関しての
争いのリスクは残ります。
要するに誰かに書かされたのでは!?
というリスクが残るのは否めない気がします。
◆確実に実行させるならやはり公正証書遺言
公正証書遺言は基本的には公証役場に出向いて
公証人に遺言の内容を話して作成してもらいます。
ご本人が入院などしている場合には、公証人が
出張してくれて、遺言書を作成してくれます。
公正証書遺言を作成するには、証人が2人必要であったり、
多少の手間と費用はかかりますが、
原本が公証役場に保管され、公証人が形式などをチェックして作成を
してくれますので、原本がなくなってしまったり、書き換えられる
といった心配もありません。
また専門家が作成してくれていますので、不備があって無効に
なったり、争いになったりする心配も軽減されます。
ですので、やはり確実に遺言の内容を実行させたいのであれば、
自筆証書遺言よりは公正証書遺言にしたほうがよいと思います。
それぞれメリット・デメリットがありますので、よくご検討
されたほうがよいと思います。
遺された方々がなるべくスムーズに相続手続きを
終えることができるように、お元気なうちに
遺言書のことを考えてみませんか?