2018/12/0640年ぶりの民法大改正が相続の実務に及ぼす影響は?
40年ぶりに民法が改正され、相続に関する法律の
ルールが大幅に変わろうとしています。
その為の専門家向けのセミナーに参加してきました。
相続診断協会パートナー事務所の吉澤相続事務所の吉澤先生に
2時間半みっちりと勉強させていただきました。
来年から2020年に向けて、順次新たな法律が
施行されていく予定です。
どういった点が変更になるのでしょうか?
◆配偶者居住権の新設
配偶者の安心と安全を確保することを目的に、新たに
配偶者居住権の創設をすることになりました。
これは、配偶者のどちらかが先に亡くなり、
遺された配偶者が、自宅にそのまま住み続けることが
できるようにという趣旨で創設される新たな法律です。
相続財産が自宅と預貯金だけというような場合に
自宅を売却してそのお金を遺産分割のお金として
充当するというようなことがあった場合に、
配偶者は住み慣れた家を出ていかなくてはならないというような
ことがありました。
そのようなことがないようにということで、自宅を
配偶者居住権と負担付所有権(配偶者居住権という権利が
ついた所有権ということ)という2つの権利に分けることが
できるようになります。
これにより、遺された配偶者が住み慣れた家から
出ていかなければならないということは無くなるのでは
ないかと思われます。
◆相続に関する民法改正の主な項目は?
今回の相続に関する民法改正の主な項目は、
多岐にわたります。
先程お伝えさせていただいた「配偶者居住権の創設」以外にも、
様々な改正や新設の項目がございます。
・預貯金債権の仮払い制度
・遺留分減殺請求から遺留分侵害請求へ改正
・特別寄与料の創設
・自筆証書遺言の方式変更
などがありますが、これ以外にも大きな影響があるであろう
民法改正が多々あります。
これらの改正に関しては、いっぺんに法施行されるということではなく、
項目ごとに来年から順次施行されていきます。
◆相続実務に与える影響はまだ未知数
民法改正に関するセミナーで勉強させていただいた感想としては、
どの項目に関してもまだどのような影響が出るのかが、
未知数だなという感想です。
様々な問題点も出てきそうな法改正も多々あるように
感じました。
おそらく実際に法律が施行されて、様々な問題点を
少しずつ修正していくのだろうなというのが、
正直な感想です。
我々のような相続実務に関わる者は、常に様々な
情報と知識を様々な場所で、吸収していかなくてはならないと
改めて感じました。
来年から2020年にかけての間に、順次法施行されていきますので、
実際の相続実務における影響をその都度お伝えしていければと
思っています。