2018/10/08法定相続という考え方が争族を生む!?~上尾市・桶川市の相続のご相談は上尾相続相談センターへ~
現在の民法では、亡くなった方の配偶者がまだ健在であれば
配偶者は必ず相続人となり、遺産の半分を相続できると
民法で決められています。
資産をご夫婦で力を合わせて築いてきたのですから、その
権利は当然あるという考え方です。
残りの半分の資産をお子さんたちで平等に分けるということが
法律で定められています。
ここに相続トラブルの原因があるように私は思います。
◆上尾市のとある貸倉庫の相続におけるトラブル事例
弊社の事業用不動産部門において管理をお任せいただいていた
上尾市の貸倉庫のオーナー様の相続に関しての事例です。
お父様といっしょにご長男一家が
実家にお住いになっておられました。
お父様はかなりご高齢で、普段私はご長男様と
貸倉庫における管理に関してはご連絡を
取らせていただいておりました。
デイサービスだけは利用されているようでしたが、
お父様が亡くなられる直前まで特に介護施設に入所される
ということはなく、ご自宅中心で介護をされていたようです。
ご自宅以外に不動産は、弊社にて管理をさせていただいている
上尾市内の貸倉庫だけとのことでした。
ある日ご長男様からご連絡があり、
お父様が亡くなられたということでした。
奥様は先に亡くなられていたので、他のご親族は
弟様だけということでした。
都内でご結婚されており、普段はほとんど
ご実家に来るということはなかったそうです。
◆生前に思い込んでいる考えが他のきょうだいには通じない
その際、ご長男様は、
「おそらく貸倉庫は自分が相続すると思う」
ということをお話になられていました。
また、
「現金もほとんどないし、相続税は発生しないと思う」という
こともお話になっていました。
相続登記が完了するまでは、テナント様からの
賃料に関しては弊社にて一時的に保管しておいてほしい
とのことでした。
その時私はお父様の遺言書があるのかを
お聞きしましたが、遺言書はないとのことでした。
その時何となく嫌な予感がしましたが、
私の嫌な予感が的中してしまいました。
その後も何度かご長男様から定期的に
ご連絡をいただいておりましたが、
段々電話口の声のトーンが
暗くなっていくのがわかりました。
「弟が貸倉庫の名義を半分ずつにしたいと言ってるんだよね」
私は、不動産は絶対に共有名義にするのは避けるべきという
ご助言をさせていただきました。
不動産を共有にすると更に次の相続の際に、また共有者が
増える可能性があり、貸すにも売るにも共有者の
ご意見がまとまりづらくなり、塩漬けの不動産になる
リスクがあるということをお伝えさせていただきました。
ただし、法定相続分に値するような現金は、
相続財産にはなかったそうです。
不動産が主な相続財産で、しかも収益を生んでいる
不動産は貸倉庫だけというわけですから、
弟様も法定相続分(法律で認められている相続分)に
則って、この不動産を半分ほしいとおっしゃるのも理解できます。
最終的にはご自宅はご長男様が相続し、
貸倉庫に関しては、やはり兄弟で共有名義に
なってしまいました。
◆やはり生前の家族会議が重要
生前、何度もご実家にお邪魔させていただいておりましたが、
歩行を補助する器具などで、お父様が歩行している姿を
お見かけたりしていました。
ご自宅での介護に関しては、ご長男様一家に、
かなりの精神的、肉体的なご負担があったのではないかと
個人的には思います。
また貸倉庫の管理面などでも、リフォームや修繕などの件で、
弊社とやり取りをしたり、確定申告などもご長男様が代理で
やっていらしたことだと思います。
このようなことを経験されているからこそ、
ご長男様は貸倉庫に関してはご自身が相続するものと
思い込んでいらしたようにお見受けしました。
ところが実際には、弟様が法定相続分を主張されて、
貸倉庫に関しては共有になってしまいました。
生前から弊社にて相続に関するご相談を
させていただいていれば、違った結果に
なっていたかもしれません。
ただし、弊社にて貸倉庫の管理をお任せいただいた際には、
すでにお父様が遺言書を書いたり、生命保険に加入できる
ような状態ではなかったと思います。
お父様がお元気な状態であれば、家族会議を
ご兄弟と一緒に開くことをご提案していたかもしれません。
家族会議をしていれば、ご長男様の想いや
弟様の想い、そしてお父様の想いが聞けたかもしれません。
このようなことが少しでも少なくなるように、
弊社ではセミナー等で、地域の皆様に生前の相続対策の
重要性をお伝えしていかなければならないということを
強く感じた出来事でした。